●「生きづらさとお寺」この本を読んでいると図書館の議論も思い出す。

この数年、親戚が亡くなり、お葬式に行く機会が、悲しいかな増えました。近い親戚のお葬式に行くと、お寺さんとのやり取りも耳にはいることもあります。

「お気持ち」の相場が、関心ごとであり、頭を悩ませるポイントです。私の親は、お寺に聞いちゃってましたね。

人が亡くなった時に初めてお寺さんと話をした・・・という家族もいるかもしれません。私の実家も、お盆やお彼岸にお寺に行っても、お坊さんと敷地で会わない限り、話をしません。

でもこの前、叔母が亡くなった時、お寺でお通夜とお葬式をしたのですが、これがよかった。斎場ではなく、お寺であげたためか、ご住職とかお弟子さんの人となりや思いが伝わってきて「私もここであげてもらいたい」と思ってしまいましたもん。

この前ウェディングの式場の記事のライティングのお手伝いをさせていただきましたが、今の私は葬式の場所を考える方がしっくりくる年齢になってしまいましたわ。(あぁ。でも、これ大切)

父と母も、「幸子、自分たちの時はここでお願いすると話をつけたから」と即予約を入れてました。それだけ、出会った時のインパクトが強いと、良い方向にも進むものです。

とにかく、このお葬式の時、改めて思ったのは生きているうちにどうお坊さんと出会うか、です。

そして、コミュニケーションをするか、です。


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そんなことを思っていたら、2012年に知り合いからもらった一冊が棚にありました。積読本にしてしまっていた!

やっぱり「これはどうなんだろう」と思った時に、運命の本は本棚にあるのですね。不思議。

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まぁ中には、介護でお金をたくさん使い、年金暮らしなのに「150万ね」と言われたケースなども載っております・・・。

年金暮らしで大変なんです、と伝えると「これでも安い方ですよ」と押し切られたとか。

どこのお寺かは知りませんが、「だったら他のメーカーに乗り換えます」と、とっさに切り出せないのが辛いところ。

また子どもに迷惑をかけたくないとか、一人暮らしだとマンションのようなお墓も頭に浮かぶかもしれない。

結婚は何回かするかもしれませんが、「死」という人生で一度しかない一大イベントなのに、打ち合わせなしで臨むのは、やっぱり悲しいかなです。



さて、この本の中に、自殺を考えている人の相談を24時間体制で受けているお坊さんや被災地で活動を行っているお坊さんが紹介されています。

閉塞する世の中から誰かを救い出そうと努力するお坊さんが現れているのに、寺院墓地から無宗教の墓所への改葬を希望する多くの人は、そんな素晴らしいお坊さんと出会う機会がないまま、お寺との縁を切ってしまう。
                                                            17ページ 



では、日常生活の中で、どのように素晴らしいお坊さんと会うか・・・については、また書きます。

久しぶりに四谷の坊主バーに行ってみようと思ったし。

ただこれは著者からこちら側への提案です。「素晴らしいお坊さんと出会ってくださいね」という。



ではお坊さん側へ著者からの提案は何か。

やはり問題なのは修業が厳しいかどうかということよりも、一般社会の感覚を見知っているかどうかではないかと思う。
                                                     73ページ



業者が作ったシンプルだがお参りしやすい納骨堂の方が、寺院が作った装飾がガンガンになされた納骨堂のよりも人気があるのを受けて。

その違いは、人の気持ちを汲んでいるかどうか。つまり、利用者の立場で「つながろうとする心」を持っているか、いないかだ。
                                                      103ページ


この「つながる」ことの大切さは、今の閉塞的で縁の薄くなっている社会だからこそ、お寺に求められるという議論となっている。

人びとが仏教離れし、常識をなくしていると嘆くよりも、誰もが生きづらさを抱えているこの時代に、良識ある市民が心を預けてもいいと思える場を作ることを、寺は考えるべきだと思う。
                                                      106ページ

寺という聖域は、方向性を間違えなければ、無縁社会に新たな縁をつなぐ核として活躍できることを、みんなの寺は示唆している。
                                                      120ページ


こんな時代だからこそ、お寺ができることがある、ということです。

つまり最初の一歩は「利用者とつながり」、「今の社会のコミュニティ核になる」ために何をするかをお寺が考えましょうということでしょうか。



その時ふと、「どこかで聞いた話だ」と、こちらの本を思い出しました。

『つながる図書館~コミュニティの核をめざす試み』(猪谷千香著・ちくま新書)です。

これも究極は「図書館が、利用者とつながろうと思っているか」が鍵なのです。

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つながる図書館・・・は、猪谷さんにお任せして(笑)

このお寺の本を受け、今度、つながるお寺、日々人と対話の場を作っているお坊さんを紹介していければと思っております。どこにいるのかな?



この記事に『つながる図書館』を紹介するとは!?でも合致するところあり。










さりげなく拙著も・・・

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