【退職のご挨拶】

本日、2015年12月31日を持ちまして公益社団法人シャンティ国際ボランティア会を退職することになりました。1997年に学生インターンとしてカンボジア事務所でお世話になりました。一度、大学に戻り、1998年6月から再度カンボジア事務所図書館事業課でインターンをしていた時に声をかけていただき、1999年3月から正規職員になりました。

2007年3月の離任までカンボジア事務所図書館事業課コーディネーターとして500校の小学校に図書室を作る仕事をしていました。

図書室を作るにも本がない。本を書く人、絵をつける人が1975年から1979年までのポル・ポト政権下で処刑されたり、強制労働に耐えきれず命を失った国で「生き残った人たち」を探し、本を作るところからのスタートでした。

兵隊に捕まり指を全部折られたクメール作家協会のユー・ボー氏。芸術大学の先生でカンボジアの伝統芸能「天女の舞」の先生でその図鑑を一緒に作ったナロム先生を今でも思い出します。

そして復興の中、子どもたちの手にある物が銃ではなく本であって欲しいと、図書室での活動を一緒に盛り上げてくれた図書館員の先生はもちろん校長先生。郡教育局および州教育局の初等教育課及び教員養成課の職員もカウンターパートというより「同志」でした。

カンボジア教育省でも「図書館の活動は点ではなく面にすべき」とカリキュラムの中に取り入れられた瞬間は涙が出るくらい嬉しかったです。


そんな大人たちを動かしたのは、子どもたちでした。

子どもたちが懸命に本を読む姿、おはなしを聞いて見せる笑顔こそ復興の原点と大人たちは信じ、未来に託したのです。それは両親だから、役人だからという垣根を越えて、同じ方向をみんな出向くきっかけとなりました。図書館は過去と未来をつなぐ分岐点です。
 

2007年3月に東京に戻ってからは海外とのやり取りを行う海外事業課カンボジア担当となり、2008年1月からは国内で行うことのできるボランティアなどのプログラムを取り仕切る国内事業課の課長になりました。

2011年1月にそれまで独立して存在していなかった広報課を立ち上げ広報課・課長となりました。そして2011年3月11日に東日本大震災が起こったのです。
 

4月3日から現場入りした時は、「まだ本ではない、まだ図書館ではない」と思っておりましたが、避難所で聞く声、図書館員の方から聞いた声に「震災から3週間経ち、今だから図書館なのではないか」と考えて立ち上げたのが「いわてを走る!移動図書館プロジェクト」でした。
 

内戦、震災の現場で図書館を作る。今振り返れば、そんな18年間でした。 


シャンティは現場に入り、長くそのプロジェクトに関わらせてくれるからこそ、人と知り合い心を通い合わせることができる。そんな長期スパンでプロジェクトをさせてもらえたことに感謝です。(というか短期プロジェクトがないですからね・・・)


また先輩方の声や姿勢に学ばせていただきました。

・この世に絶対ということがあるならば、絶対というものがないことだ
・想像し創造せよ
・靴を脱いで大地を踏め(靴を履いていない住民がいる村でいわれたこと、同じ視点に立つことを教えてもらいました)
・目に入った光景をみながら「なぜ」と問う
・誰のためのプロジェクトか常に問へ
・ないなら、作る
・難民という民族はいない。彼らはクメール人でありカレン人だ

一人ひとりを見ていく大切さ、その姿勢を学ばせていただけたのは一生の財産です。


そしてその姿勢を持ちながら活動を行っていくシャンティ国際ボランティア会のメンバーであったことは私の誇りです。


*カンボジアの図書館事業のことをまとめられなかったのは、唯一心残りなことです。


「じゃぁ何で辞めるの」と聞かれるかもしれませんね。18年といえば生まれた子どもが高校を卒業する年。一度家のことでやることがあったり、自分を振り返る時間が欲しかったり。事務所に勤務するという形態がとりずらくなりそうだぞということがあります。また広報課には新しいエース級の課長が入ってきてくれたので安心して任せられるようになったということがあります。
 

また18年間ですべてを出し切った感もありアウトプットできるものが少なくなってきた。またたくさんインプットしてシャンティにアウトプットしていくためにも一度外に出て武者修行をしようと考えました。外の一支援者としてシャンティを支えていきたいです。


なのでシャンティにはプロジェクト単位で仕事を頼んでいただけたら、遠隔操作であればいつでもお受けしますので、ご連絡を(笑)


シャンティを退職するお知らせを出した後、心配の声とともに「だったら仕事しますか」というありがたいオファーを寄せていただきました皆さまに感謝です。来年はどこかに所属することなくフリーで色々なNPOや企業などのお手伝いをすることになりそうです。


フリーになるのは初めてで、不安なこともたくさんですが、図書館や本の仕事、社会貢献分野関連での仕事は続けていきたいと思っています。


2016年もどうぞよろしくお願いいたします。

クヴァールレック小学校


 






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