国立国会図書館の図書館に関するポータルサイト「カレントアウェアネス」の原稿の直しをしました。

昔書いたものを探していたら、懐かしい文章を見つけました。

大学院の時に読んだ本の一説を常に持ち歩き、カンボジアで図書館事業の担当をしていた時それを強く意識していたんですね。

最も沈黙を余儀なくされている人の声を聞く

こちら”Listen for a Change”という本にあった一説です。「変化のための傾聴」でしょうか。聞くことの大切さを、伝えてくれる本です。
If being poor means having less of a voice, then being the poorest of the poor means being the most silent of all.

The collective voice of any community tend towards generalizations, simplifications or half-truths and is dominated by the loudest voices. Like the official document, the community view will tend to concentrate on the concerns of the wealthy, the political elite, and social and religious leaders.

【私の訳】
もし少ししか声を発することのできない人を「貧しい」と意義付けるのであれば、貧しい中でも貧しい人と言うのは最も沈黙することを余儀なくされている人である。

地域で収集された声と言うのは一般論であり、簡素化されたものであり、半分の真実しか語っておらず、また集団で多数をしめる「声を発することのできる人」の意見である。公式な書類も富のある人、国家のエリート、社会的及び宗教的なリーダーの考えが示される傾向がある。

出典: Slim, Hugo and Paul Thomson, Listening for a Change (New Society Publishers, Philadeplhia, 1995) p 4,5 
この文章を踏まえて、私はカンボジアでこんなことを報告書に書いていたのですね。

この「声を発することのできない人」の声を聞き、それを活動に反映させていきたいです。

図書館事業で言えば、子どもや母親などあまり表に出ない人たち。

地域住民のミーティングで村の代表の話もいいけど、実際絵本を手にしている子どもの声が反映されている活動をしたいと思っています。

今、図書館事業課では子どもへのインタビューを始めました。子どもの視点から「なぜ図書館活動が大切なのか」を話してもらえたらいいと思います。

「ものいえぬちいさなものたちをおまもりください」おやすみなさいのほん

その後に読んだ、福音館書店から出版されている『おやすみなさいのほん』(作: マーガレット・ワイズ・ブラウン、絵: ジャン・シャロー、訳: 石井 桃子)の最後の文章にもそれが込められているようで、ガツンと来ました。

「ものいえぬちいさなものたちをおまもりください」

すべての人に扉を開く、図書館に来る「ものいえぬ」人たちをどのように受け入れるのか、何ができるのか、カンボジア時代からの問いかけでしたし、これを形にしていきたいと(それも私がではなくその人たちと)と思っています。



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ちょっと自分の原点に触れた気がしました。

そしてこの思いはずっと持ち続けながら図書館の仕事をするんだろうな。












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