井上ひさしさんの『父と暮らせば』を読了。

こちら版元の新潮社のサイトより。
世紀が変わってもヒロシマを忘れない。

「うちはしあわせになってはいけんのじゃ」愛する者たちを原爆で失った美津江は、一人だけ生き残った負い目から、恋のときめきからも身を引こうとする。そんな娘を思いやるあまり「恋の応援団長」をかってでて励ます父・竹造は、実はもはやこの世の人ではない――。「わしの分まで生きてちょんだいよォー」父の願いが、ついに底なしの絶望から娘をよみがえらせる、魂の再生の物語。
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友人や家族を失った美津江は、自分だけが幸せになってはいけないと、自分に思いを寄せている人も、好意を寄せながらも拒絶していきます。

その時、亡霊となって目の前に表れている父が

「むごい別れがまこと何万もあったちゅうことを覚えてもらうために生かされとるんじゃ」と美津江に説きます。

「人間のかなしいかったこと、たのしいかったこと、それを伝えるんがおまいの仕事じゃろうが」

美津江の勤務先は図書館。

図書館員の仕事は、人間の喜びの歴史も、悲しみの歴史も残し伝えていくこと。

ソ連の侵攻や偶像崇拝を否定したタリバンから、文化財を守った「鍵の番人」アフガニスタン博物館の館員のことを東京国立博物館の展示で知りました。

「黄金のアフガニスタン~守りぬかれたシルクロードの秘宝」東京国立博物館
 
古代との記憶だけではなく、その時その時の人々の感情にそえるのが図書館なのではないかと思います。

記録されないものは記憶されない-

戦後70年を超えた広島からのメッセージは、人類に向けた提言だと思う。

そして「人間のかなしいかったこと、たのしいかったこと」、その声に向き合ってみよう。図書館に行って。

写真は2014年8月4日に広島で撮影したものです。8月の広島は祈りに包まれていました。

(追加)
この記事をFacebookに投稿したら、井上ひさしさんが広島市立中央図書館を使ってリサーチしたという情報をいただきました。コメント欄をご覧ください。情報提供ありがとうございます。





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