「ブランド」と聞くとシャネルやくクリスチャン・ディオールなどを思い出す人が多いと思う。

今は落ち着いてきたけど、バブルの時「ブランド品」を求めてイタリアのミラノやアメリカ・ニューヨークの5番街は日本人があふれていた。その時みんな口にしたのは「ブランド」という言葉だ。ブランド=高級品という方程式が出来あがっていた。

「ブランド」という語源は、「バーンド(Burned)」から来ているといわれている。バーンドは焼き印という意味だ。中世ヨーロッパで牛に焼き印を押して他の牛と間違えないようにした。つまり、ブランドは「識別化・差別化」のことを指す。それは高級ブランドだけにあてはまるものではない。どんな商品でもブランドなのだ。

有楽町の無印良品の書籍コーナーでHAKUHODO DESIGN代表取締役の永井一志さんの『博報堂デザインのブランディング』(誠文堂新光社)を購入した。

帯にあるように「ブランディングの考え方とプロセスをデザインの本質から解き明かす」一冊となっている。サントリーの伊右衛門、資生堂の「一瞬も 一生も 美しく」など目にしたり耳にしたことのある事例も写真入りで載っている。おなじみの商品に駆けた人たちの思いを知ることができる。

少し読み進めてみよう。

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ブランドに一番大切なものは

ブランドに一番大切なものは、「思い」。
ブランディングとは、「思い」を「カタチ」にすること。 
                                                                                                                                                     p20 
2013年から公共図書館員向けに広報・PRのワークショップの仕事を頼まれることが増えてきた。それまではNPOや社会起業家への講演を頼まれることが多かったが、公共施設の皆さんも広報・PRに興味・関心を持っているようである。

図書館の皆さんは「うちの図書館は何の特徴もないですから」と前置きをしながら、「でも広報に力をいれねばと思っているんです」と依頼をいただく。

私からしたらどんな図書館も、どんなショップも、どんな商品も「ブランド」だ。ただ、その前提は「思い」を持っているかということ。図書館員が、図書館へ思いを持っていたら、それだけでブランドになる。その思いを「カタチ」にすることがまだできていないだけなのだ。
「思い」とはブランドの送り手が持つビジョン、魂、理念。こんなブランドでありたいという理想像。使う人に何をもたらしたいかという意志。言うなれば何よりも根本的で本質的な、「その企業や商品が社会に存在する理由」だ。
                                                                                                                                                       p19 
日々の業務で「思い」を語ることはあるようでない。いや、個々人が語っているかもしれないけど、紙などに落とされて明文化されていないものも山ほどある。

L’essentiel est invisible pour les yeux.-『星の王子さま』の一節にあるように「大切なものは、目に見えない」ことが多い。それを「カタチ」にする作業が必要となる。

その形にするための五つの視点が本書で紹介されている。こちら詳細は買って読んでください。
インプットの「五つの視点」

①歴史性:ブランドのオリジンにさかのぼる

②機能性:何の仕事、どんな商品なのかを考える

➂文化性:どんな豊かさやライフスタイルを提案できるかを考える

④社会性:ブランドがどう社会に役立つのかを考える

⑤関係性:ブランドと生活者との関係性を考える
                                                                                                                                         p 31-33
目に見えないものをカタチにするためには、時間がかかる。といっても時間は有限なので、与えられた時間で最大限に情報を集める。

私が広報課・課長の時に担当したシャンティ国際ボランティア会の「本の力を、生きる力に。」のキャッチやボディーコピー作りは全スタッフの聞き取りや過去の団体の資料の読み込みに多くの時間をかけた。

無題
http://sva.or.jp/book-for-all/

今思うと結果的に5つの視点を話し合っていた。このフレームワークを最初から知っていればなぁ、と思う。

①歴史性:ブランドのオリジンにさかのぼる
団体の設立当時の思い、理念。「普遍性」のあるメッセージ。

②機能性:何の仕事、どんな商品なのかを考える
団体の行っている活動。

➂文化性:どんな豊かさやライフスタイルを提案できるかを考える
本を手にしたり、図書館に来た子どもたちがどんなメリットを享受されるのか。

④社会性:ブランドがどう社会に役立つのかを考える
図書館は社会に対してどのような貢献をできるのか。

⑤関係性:ブランドと生活者との関係性を考える
そのメッセージを受ける人たちが(ここでは日本でウェブサイトを目にしたりリーフレットを見た人)が、理解できるか。その人たちに活動を理解してもらうためにはどうするか。

この5つの視点をもとに、紐解いていき、それをまとめて行く先に「ブランドとしてのカタチ」が生まれていくのだ。

今度の広報・PRワークショップにもこのブランディングについての説明を追加していこう。





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